【レビュー】レバー式新型バリスタ「ネスカフェ バリスタシンプル」を買ってみた

18年9月に発売されたばかりの最新バリスタ「ネスカフェ バリスタシンプル」を買ってみました。レバーでカシャッと引くだけでコーヒーを淹れることができるのが特徴のマシン。Bluetooth接続でネスカフェアプリにも対応しています。

使ってみた感想はというと、シンプル操作でお手入れ簡単になったけど、機能面でトレードオフの関係。全体的にはこの手の機械類が苦手なシニア向けのマシンという感じです。

ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタシンプル

レバーを引くだけで抽出可能な「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタシンプル」。過去のバリスタマシンとは操作方法だけでなく構造的にも新しい部分が多いです。

特にコーヒータンク(コーヒーパウダーを格納するパーツ)は一目瞭然で、こんな感じで頭の載せるだけで外部に露出しています。

コーヒータンクは球形になりました。過去のバリスタマシンはタンクカバーを開いて内部に納まる構造でしたが、これは乗せるだけ。タンクカバーがないぶん、コーヒーパウダーの残量を視認しやすい。

コーヒータンクは計量器(タンク土台)から分離できます。コーヒータンク底部の尖った部分にコーヒーカートリッジを差し込んでコーヒーパウダーを補充します。

なお、コーヒータンクは水洗いできません!パウダーの補充口しかなく、ほかはどこも開きません。

まあ、水洗い自体はやればできるでしょうが、非常に乾かしにくい構造になってます。他のバリスタマシンはコーヒータンクの内部洗浄は可能でしたので、これはバリスタシンプルの欠点ですね。

それと計量器のパーツが従来より少なくなってます。画像のように土台に差し込むパーツがひとつあるだけ。これがレバーを引いたときにコーヒーパウダーを落とす役割を担ってます。

これは「バリスタ50」の計量器パーツ。分解すると3つに分かれてましたから、お手入れがやや面倒でした。これでも十字プレートがなくなってパーツは減ったのですが。

画像では分かりいくいですが、計量器を外せばコーヒータンクの底部から洗うことが普通にできます。コーヒーカートリッジを差し込む補充口は横に付いています。

給水タンクは容量1Lです。相変わらずタンク内に手は入らないので、洗う際は適当なブラシが必要になります。

操作ボタンは電源ボタンとクリーニングボタンのみとずいぶん少なくなりました。そのかわりレバーによってコーヒーを抽出します。

バリスタ本体から淹れることができるコーヒーメニューは「ブラックコーヒー」「カフェラテ」の2種類だけです。

操作レバーは左右にあります。右側レバーを引くとコーヒーが抽出されます。左側レバーは高圧ジェットノズルでミルク泡立て用のもの。

操作方法はブラックコーヒーを淹れるときは右側レバーを引きます。カフェラテを淹れるときは左側のレバーを引いて泡立てた後、右側レバーを引いてコーヒーを抽出するという方法。

ちなみに、レバーを引くときは親指をマシン本体に引っ掛けて操作できるので、マシン本体が動くことはありません。

左にある突起はコーヒータンク残量を感知するためのセンサー。コーヒータンクの残量が少なくなるとアプリから通知してくれます。でも、コーヒータンク丸出しで残量は確認しやすいのであんまり意味ない。

コーヒー抽出部カバー(ドロワーともいう)を引くとお手入れが必要な攪拌部パーツがあります。

カバーはかなり小さくなりました。右がバリスタ50のコーヒー抽出部カバー。

コーヒー抽出部カバーを全部引き出すと攪拌部パーツと高圧ジェットノズルが確認できます。青いのが攪拌部を固定するロックレバー。これを押し下げると攪拌部パーツが外せます。

他のバリスタを使ったことがある方は気づくと思いますが、スライダーカバーがなくなってます。

スライダーカバーというのはこれ。バリスタ使い始めのころはお手入れ後にこのパーツを元に戻すのに手間取ったことがあるのではないでしょうか。

攪拌部パーツを取り外してみると、レバー部分に今まではなかったバスケットがあります。

攪拌部自体も大きくなっていて洗いやすくなったほか、攪拌部内部にあったメッシュパーツがなくなってます。

メッシュパーツというのは画像右下のやつ。右の攪拌部パーツはバリスタ50のものですが、バリスタシンプル以前のマシンにはすべてこれがありました。

コーヒーの泡をつくるためのパーツですが、バリスタシンプルの場合は攪拌部内部に板状の突起をつけて泡を立てるようにしているもよう。

コーヒーを抽出してみよう

すすぎで内部洗浄

マシンを使うまえの恒例のすすぎ。お湯を出して内部を洗浄します。250ml以上のカップを用意しておきます。

電源ボタンを入れると点滅して30秒ほどで準備完了し、電源ボタンとクリーニングボタンが点灯に切り替わります。これは工場出荷の状態ではじめて使うときだけ。

左側レバーを引くと高圧ジェットノズルからお湯が噴射されます。その後、右側レバーが点滅するので1回だけ引くとお湯が出て内部洗浄完了です。

取り扱い説明書によればこれ1回でOK。ただし、使い始めはプラスチック臭があるので、気になる場合は何回かクリーニングボタンからお湯を抽出するといいです。

コーヒータンクに補充

コーヒータンクには専用カートリッジを使って補充します。カートリッジのフィルムを剥がして差し込むだけ。

こんな感じでコーヒーパウダーを補充します。

ちなみに、バリスタシンプルのコーヒータンクの補充口にはキャップがありません。そのため、コーヒータンクを逆さまにしたまま計量器を取り付けます。

ブラックコーヒーを抽出

準備が整ったら電源ボタンを入れます。抽出準備完了まで30秒ほど。

とりあえずブラックコーヒーを淹れてみます。ブラックコーヒーは右側レバーを1回だけ引きます。この作業でコーヒーパウダーを落とす仕組み。

こんな感じで泡立ちながらコーヒーが抽出されていきます。抽出が終われば自動的に停止されます。

ブラックコーヒーを抽出できました。抽出量は140ml。

カフェラテを抽出

今度はカフェラテも作ってみます。

左側レバーを1回引きます。ちなみに、泡立ちが終了した後に再度左側レバーを引けば、泡立て量を増やすことができます。

高圧ジェットノズルからお湯を噴射して泡立てます。湯量は30ml。

気づいたのですが過去のバリスタマシンと違って噴射が細く継続して出るような気がします。あまりバリスタでカフェラテやカプチーノを作らないのであれですが、以前は断続して噴射するような感じでした。

泡立ちが完了して右側レバーが点灯したらブラックコーヒーを同じようにレバーを引きます。抽出量は130mlほど。

カフェラテができました。抽出量は160mlになります。

ネスカフェアプリを使ってみよう

バリスタシンプルは、Blutooth接続でスマホのネスカフェアプリからコーヒーを作ることができます。

ネスカフェアプリを使うとコーヒーの濃さをカスタマイズできたり、マイレシピとして登録して次からは設定した濃さで抽出できるなど、便利な機能があります。

そんな便利なアプリなんですが、バリスタシンプルとペアリングして使ってみると、アプリの機能が制限されていました。

まずこれはバリスタ50と接続した状態のアプリ画面です。メニューが6種類あります。

バリスタシンプルと接続するためには、ナビの「その他」をタッチして「他のバリスタに接続」を選びます。

細かいステップは省きますが、無事ペアリングできました。

接続するバリスタマシンを変更するとイラストも変わるんですね。

じゃあ、早速コーヒーを抽出してみよう!と思ったら、なんかコーヒーメニューが減ってますね。

バリスタ50を接続していたときには表示されていた「ブラックコーヒー(マグサイズ)」「カプチーノ」がなくなってます。

しかし、それだけではありません。

エスプレッソタイプを選択すると湯量調節バーがありますが、いつもならあるコーヒーパウダー量を選択できるボタンがありません。

こちらがバリスタ50で接続してアプリでエスプレッソタイプを表示している画面。コーヒーパウダーの量を選択できるボタンがありますよね。

それから「淹れるボタン」をタッチするとこんな感じでレバー操作の指示が出ます。他のバリスタマシンだと抽出ボタンをタッチすれば、後は自動的にコーヒーを抽出できたのですが。

とりあえずネスカフェアプリを使ってエスプレッソタイプのコーヒーを抽出できました。

しかし、見てきたようにバリスタシンプルの場合、ネスカフェアプリによるコーヒーメニューのカスタマイズは制限があります。

レバーを引いてコーヒーパウダーを落とすという仕様上、アプリから調節できないようです。

バリスタシンプルを使った感想

メリット

レバー操作は簡単

レバー操作によるコーヒー抽出はとても簡単です。ボタンは電源ボタンとクリーニングボタンしかなく、コーヒー抽出はレバー式のため、機械に疎くても操作に迷うことがありません。

レバー式だとマシンが動いちゃうかな?と思ってましたが、親指を本体に引っ掛けてレバーを引くことができる位置にあるため、マシンを動かないように押さえておく必要がありません。

レバーには点滅や点灯表示するライトもあって状態を確認しやすいです。点灯してから操作すればいいので視覚的にも分かりやすいです。

パーツが少なくなってお手入れがラク

パーツは従来のバリスタマシンよりかなり少なくなりました。特にコーヒータンクの土台(計量器)はシンプルになりましたので、お手入れが簡単になって組み立てるときも迷わないです。

また、コーヒー液が抽出される攪拌部パーツも改良されています。サイズが大きくなったおかげで内部が洗いやすくなっただけでなく、汚れやすいメッシュパーツがなくなりました。

給水タンクに手を入れて洗えないのは他のバリスタマシンも同様なので仕方ないですが、全体的にパーツを少なくしてお手入れしやすく改良されていることがわかります。

コーヒータンク残量が確認しやすい

コーヒータンクは本体に乗せるだけなのでコーヒーパウダーの残量を確認しやすいだけでなく、取り外しも簡単になってます。

コーヒーパウダーの残量を感知するセンサーも付いており、不足している場合、アプリから通知してくれます。

コーヒーを淹れるときすぐ確認できるし、アプリを使う場合でもレバーを引くためにマシンの前に立つわけで、センサー必要か?という気もしますが。

あったらあったで親切かなという程度ですが、コーヒーパウダーが切れたら「ネスレから直接買え」という販促の意味もあるのかもしれません。

デメリット

コーヒーメニューが少ない

バリスタシリーズのなかでは最もコーヒーメニューが少ないです。マシン本体から作れるのは「ブラックコーヒー」と「カフェラテ」だけ。

コーヒーに使う湯量は変更できるので濃さは調節できます。濃くしたい場合はレバー点灯中に電源ボタンを押すとそこで抽出が止まります。薄くしたい場合はクリーニングボタンを押すとお湯だけ出して好みの量で止めて薄くできます。

そのため、湯量を変更することで「エスプレッソタイプ」「ブラックコーヒー(マグサイズ)」に近づけることは可能です。カプチーノについても左側レバーを2回使えば同じ泡立ち量にはなります。

ただし、使用するコーヒーパウダーは2g固定になります。ブラックコーヒー(マグサイズ)とカプチーノ(バリスタ50の改良レシピの場合)は3g使用するため、それと比べると薄い味わいになってしまいます。

それから、湯量を変更しても設定を記憶できないので、その都度調節することが必要です。

アプリでもカスタマイズは自由度が低い

ネスカフェアプリを使う場合でも「エスプレッソタイプ」「ブラックコーヒー」「カフェラテ」「アイスコーヒー」の4種類。

他のアプリ対応バリスタマシンにはある「ブラックコーヒー(マグサイズ)」「カプチーノ」はありません。

各コーヒーメニューは湯量と泡立ち量の調節(カフェラテのみ)が可能ですが、コーヒーパウダー量の変更は不可です。レバー操作でコーヒーパウダーを落とすため、マシン本体と同様にアプリからも変更できません。

ちなみにコーヒーパウダー量を増やそうとして右側レバーを連続2回引くとエラーになります。

コーヒータンクは洗えない

最もデメリットといえるのがコーヒータンクの内部洗浄ができないことです。

コーヒーパウダーの補充口のみでほかはどこも開きません。補充口はコーヒーカートリッジに差し込むための突起構造になっていて、隙間には指が少し先が入る程度です。

無理すれば水洗いもできることはできるでしょうけど、乾かすのが大変そうです。コーヒータンクの天辺にキャップでもつけてくれればいいと思うんですが。

まとめ

バリスタシンプルはレバー操作になって簡単にコーヒーを抽出でき、パーツも従来のバリスタマシンより減ってお手入れが簡単になりました。元に戻す際も迷わず組み立てることができます。

シンプルになった反面、機能面で削れられている点は否めません。コーヒーメニューはマシン本体からは2種類だけですし、ネスカフェアプリを使ったカスタマイズも制限があります。

全体的に考えるとやはり細々とした操作が苦手なシニア向けのバリスタだなという印象です。お手入れが簡単なのでコーヒーメニューのカスタマイズにこだわらない人にもいいかもしれません。

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